破天荒 サウスウエスト航空 驚愕の経営

を読んだメモ。

破天荒!

破天荒!


本を読む前に、[1]その本から何を学びたいか、[2]何をアウトプットしたいかを考えてから読むようにしている。
今回は以下を意識しつつ本書を読んだ。

学びたいこと

  1. 成果と楽しみを両立する方法
  2. 小規模企業で成果を出す方法
  3. 全員参加型チームの作り方
  4. 無駄の省き方
  5. リーダーシップ

アウトプットしたいこと

  1. リーダー・メンバー型の組織からより全員参加型の組織へ
  2. (現在行っている)MTGの見なおし
  3. リーダの役割の定義


以下、今回線を引いた部分のまとめ。

Part1:伝説の幕開け

第4章:一匹狼の登場
  • 服装は型破りだが、徹底した訓練をうけている
  • 社員たちにはまず最初に、生き延びるために戦わなければならないし、誰よりも努力しなければならないよと訴えたんだ。みんな納得してくれたよ
  • デニス・ラードンは、そのころ誰も絶対に口にしなかったに2つの言葉があるという。
    • できない
    • 私の仕事じゃない

Part2:破天荒は基本戦略

第5章:厳しい制約の中で
  • サウスウエスト航空が成功した秘訣といっても、実は秘密でも何でもないことなのだ。誰でもしっている単純明快な規律の実践によってサウスウエスト航空は業界でトップの座を占めたのである。常に明確な目標を掲げ、緻密な戦略を展開する。利益を上げ、全従業員の安全を確保し、より多くの人々に空の旅を楽しんでもらう。こんな当たり前のことをサウスウエスト航空は一貫して実践してきだのだ
  • 多くの企業が成長できないのは、明確な目標を持たないからだ
  • 目標がしっかりしていれば、どんなに複雑なアイデアをもちこまれようと、その目標に照らして「これは、私のビジョンに沿った素晴らしいアイデアなのか?そうでないなら、邪魔をしないでくれ」と問い返すことができる
  • もちろん、目標は幹部達にやる気をおこさせるだけの説得力がなければならない
  • サウスウエスト航空がこだわるのは、シェアを伸ばすことではなく、コストを押さえてだ最大限の利益を上げることだ。ケレハーによると、多くの企業が二兎を追ったばかりに、基本的な目標を達成するどころか、挫折してしまったのである。「シェアと利益率は関係ない」とケレハーは言う
  • サウスウエスト航空が購入する航空機はボーイング737型に限定されている。購入する機種が固定されていれば、
    • 訓練が単純化できる。パイロット、客室乗務員、整備士、食料補給係は、ボーイング737だけを知り尽くせばよい。つまり、そのための訓練に全ての時間とエネルギーを集中することができるのだ
    • 手を広げすぎるな
  • 純化に徹底し、合理化せよ
  • 自分の力を知る
    • 「第一の驚異はわれわれ自身だ!」「ちょっと上手くいったからといって、満足してはならない。自惚れたり、欲張ったり、怠けたり、つまらないことに心を奪われたりしてはならない。官僚主義になることも、階級意識をもつことも、けんか腰になることも、外からの驚異に鈍感になることも許されない」
    • サウスウエスト航空はどんな場合にも謙虚に対応し、業績を上げることだけに躍起になったりせず、見事に本来の目標と戦略を守り続けてきた
    • 本来の目標を忘れて、自分のいるべき場所を飛び出したものは失敗しやすいということを歴史は教えてくれる
  • 絶頂期にさらに向上する方法を考えよ
  • 謙虚な心を忘れるな。自分ひとりでは決して成功しない
第6章:「プロフェショナル」はお断り
  • サウスウエスト航空が従業員に求めるのは、ありのままの自分でいることだ。自分をさらけ出せない人は歓迎されない。本来の自分を偽るような従業員は、毎日の生活でかなりのストレスを溜め込むはずだ。そして、そのストレスは、サービスを提供する乗客や一緒に働く同僚に向けられることになる
第7章:官僚主義をぶっ飛ばせ
  • 無駄を省く
  • 謙虚に考えれば、会社は大きく育つ。だが、尊大な考え方をしていると、会社はだんだんしぼんでしまう
  • 常に「行動する」ために会議が開かれる。小規模企業では従業員ひとりひとりの価値が大きいので、全従業員が意欲的でなければならない。仕事の数の方が頭数より多い場合が普通なのだ。サウスウエスト航空の従業員が会議室を後にするときには、割り振られた仕事に直ちに取り掛かる準備ができている。「ゆっくり考えてみようか」などと悠長なことを言いながら会議室を出て行く姿にはめったりお目にかかれないのだ
  • 私たちは意味のない書類っていうのが嫌いでしてね
  • 自信を持っている人間だけが、無駄を省ける
  • 期待以上のことを予測する
    • どう考えても、計画がひとつだけでは、すべての状況に対応できない。ケレハーが伝統的な戦略に信用をおかないのは、こういう点にある。ケレハーは、計画が文書化されて金科玉条になってしまうことを警戒しているのだ。そうなると、柔軟な発想ができなくなり、斬新なアイデアもでなくなる場合が多い
  • 「もし・・・」という問題提起をすることによって将来に備える。サウスウエスト航空が二十一世紀に備えて実践しているこの方法は、「未来図創造」と呼ばれている。役員による企画委員会が定期的に開かれ、会社の「未来図創造」について議論がかわされる。「もし・・・」という問題を数多く提起することによって、サウスウエスト航空は直面する可能性のあるあらゆる問題への対応策を討議することができるのだ
    • 「もし、ニューイングランド地方の1,2都市に進出する港ができたとしたら?競争はどうなるか?航空機は何機必要で、どこから調達すればいいのか?」
  • 行動力と柔軟性
    • サウスウエスト航空の従業員は草創期に、人間には二つのタイプ - すばやく対応するか死ぬか - があることを学んだ
  • 無駄のない組織を作れ。どこが悪いかすぐ分かる
  • 不要な会議を廃止し、書類を減らし、情報交換を簡略化せよ
官僚主義について

官僚主義とは何か?自分ではこのように考えている。
前提として、何故その仕事をやるのかを理解せずに仕事に取り組んではいけないという価値観がある(これはある人から教えていただいた)。人から頼まれたからという理由だけで仕事をしてはいけない。頼む方も、意義を示したり、相手がきちんと意義を理解して仕事に取り組んでいるかを確認する責任がある。

  • 人から頼まれたから
  • やることになっているから

このような理由で行われている仕事がある時、それらを官僚主義が発生させた仕事、ルールと考えている。
以下、依頼された仕事について、意義がよく分からないなって思った時の行動。

  • 仕事はやらない。意義が分からないことを依頼側に伝えない ⇒ NG
  • 仕事はやる。意義が分からないことを依頼側に伝えない ⇒ NG。官僚主義につながる
  • 仕事はやらない。意義が分からないことを依頼側に伝える ⇒ NG。まず仕事はやろう。
  • 仕事はやる。意義が分からないことを依頼側に伝える ⇒ OK。この時、そもそも仕事に価値がない(≒官僚主義が発生させた仕事)、意義が伝わっていない 等問題点を掬いとることができる。


4番目の行動が官僚主義を見直す信号を与えてくれる。官僚主義を発生させないための行動観、

  • 言わないならやる、やらないなら言う

(但し、新人は先輩から頼まれたことをまず素直にやることが大切です。この価値観は前述の価値観と矛盾しない)


官僚主義が発生させた仕事をチェックするための質問

  • 仕事について、依頼側が期待していることはなにか
  • 仕事について、依頼される側が期待していることはなにか
  • 仕事は両者の期待を満たしているか(期待を満たしている場合、その仕事は大抵次の価値ある行動につながっている)
    • 満たしていない場合、その仕事は見直す必要がある
無駄について

「無いよりもあったほうがいい」という価値観がある。これ自体が間違っているということはない。しかし、それがあることが、目的に沿っているかは確認する必要がある。

  • 目的にそわない
  • 行動につながらない

これらは無駄である。無駄は時間を奪ってく。


誰も聞いていない音は、鳴っていないのと同じ。誰も必要としていないものは、ないのと同じ。

第8章:経営者の立場で行動する
  • 指針を決める
    • 経営者の心を持つためには、確かな信念と自信が必要なのだ。指導者の立場にあるものは、いざという場合に自信をもって対処しなければならない。経営者の心を持っていれば、常識と判断力を発揮できるのだ。経営者の立場で行動するからには、自分のやっていることは間違いないという自信がなければならない。経営者には最終的な責任と義務がある。進むべき方向がはっきりしていないときに、正しい判断をして適切な行動をとるには、会社の基本方針をしっかり理解していることが必要だ。会社の目標や、戦略、使命、ビジョン、価値、哲学のすべての基本方針の基盤になっている
  • 徹底した情報伝達
    • 人の心を変えるには、しつこくする以外にはない
    • イデアは簡単に説明できるものほど良いのだ。情報伝達もひたすら繰り返す。一貫性があること、シンプルなこと、繰り返すことがすべてだ
  • 犠牲者ぶるな。何をするときにも、必ず結果を出せると信じよ
  • 他人を信頼せよ。相手に「あなたは信頼にたる人だ」という意思表示をすれば、相手はその気持にこたえてくれる
着地が見えない状態で行動しない

これは、先輩から教えていただいたこと。何かを行動に移そうとしたとき、その行動の着地を考えてから行動することが大切。でないと、自分が制御できず思わぬ方向に着地したり、不必要な問題を発生させてしまう。


(因みに、このことを教わってから、着地という言葉がマイブーム)

一貫性を維持するために

リーダーシップは一貫性によるもの。というのはプロフェッショナルの条件の一節。一貫性を維持するは難しい。人は影響されやすいし忘れやすい。一貫性を維持するためには、自分の基準を明文化、記録化し、定期的に確認する必要がある。一貫性はすぐに崩れる

第9章:熱狂的な学習
  • 情報は力なり
  • 共有される情報
    • 利益
    • マイルストン
    • 業界情報
    • 他社情報
  • 各階層の指導者たちは、互いに得た情報について話し合い、理解を深めている。新しい情報について話し合えばさらに多くのことを学べるのだ。こうした会話を通して、情報の意味と自分たちの仕事との関連性をよりよく理解できるようになる。つまり、情報が知識に転換するのだ。サウスウエスト航空の従業員は新たに得た知識を応用して、生活と仕事に変化をもたらす。知識を活用すれば、視点が定まり、判断力や洞察力が鋭くなる。そして、知識は力となる
第10章:失敗を恐れるな
  • 他の航空会社と足並みを揃えることなど考えたこともない。創業当初から社員に「古いしきたりには疑問を持て。挑戦しろ。慣習に縛られていると、大きな損失をかぶることになる」と言い続けてきた
  • 他人に「どうやったのか」と聞く前に、自分で「どうすべきか」を考えよ

Part3:破天荒の基礎

第10章:すばらしき大家族
  • サウスウエスト航空の企業文化をささえる要素
    • 基盤となる価値観
    • 利益率
    • 低コスト
    • 家族主義
    • 楽しさ
    • 愛情
    • 勤勉さ
    • 個性の尊重
    • 従業員持株制度
    • 伝統的なサービス
    • 平等主義
    • 常識/適切な判断
    • 純化
    • 利他主義
  • 基本理念
    • 一番大切なのは、従業員だ。あなたが従業員に接する態度は、そのまま従業員が顧客に接する態度になる
    • 慎重に考え、大きく成長せよ
    • 好況期に節約して、不況に備えよ
    • ありのままの自分でいこう
    • 仕事を楽しもう
    • 競争相手には真剣に対応し、自分のことには深刻になるな
    • 引き受けたことは何があってもやり抜け
    • 常に基本理念を実践せよ、会社の中でも外でも
  • 規範
    • ビジョンを持て
    • 委員会は必要なときだけ設置する
    • 複数のシナリオを持て
    • 事務手続きは最小限に
    • 行動は迅速に
第16章:LUV(ラブ)
  • 人間が一番求めているもの
  • 愛は行動を求める
  • 愛は忍耐強い
    • どれだけ忍耐できるかで、相手に対する気持ちの深さが測れるものだ
  • 愛は礼儀正しい
  • 多くの場合、われわれが人に本当のことを言わないのは、親切を装っていも実は相手を傷つけたくないからなのだ。自己防衛のため、つまり相手に嫌われたくないので本当のことを言わない場合もある。いずれにしても、それでは相手にとって何のプラスにもならない。真実をつげなければ従業員は欠陥をかかえたまま仕事を続け、結果として彼らの成功と幸福を阻むことになる。それは愛とはいえない
  • 全力を出し切っていない運動選手に向かうコーチのように、サウスウエスト航空の価値観を実践していなかったり、持てる力をフルに発揮していない従業員がいれば、バレットは容赦なく対決する
  • 人生は短い。許して忘れよう
第17章:地域社会への貢献
  • 偉大な芸術家は優れた作品を生み出すために、途方も無い時間、エネルギー、集中力を注ぎ込む。修練、努力を重ね、犠牲まで払って才能ある芸術家がやがては大芸術家となるのだ。特定の芸術分野で二十五年以上制作に励んでいれば見事な技術が身につく
  • 人々に奉仕するのは愛の実践だが、不都合が伴うことも多い。言い換えれば、愛の実践は骨折り仕事なのだ - 多忙なスケジュールに追われている場合は特にそうである。絶えず仕事のやりくりをして人々の成功を祝い、喪失を悼むには、自己を律し、一身を捧げ、なければならない。誰かの休暇、誕生日、特別な出来事を覚えているのは喜びでもあるが、それだけ余分の時間とエネルギーを必要とする
第18章:型破りの宣伝
  • 約束するより実行せよ

下記に3Mの社史みたいなのがある。

http://multimedia.3m.com/mws/mediawebserver?mwsId=66666UuZjcFSLXTtlxMt4xT6EVuQEcuZgVs6EVs6E666666--&fn=3M_COI_Book.pdf

それをみると"It is easier to ask forgiveness than permission. With a sincere attitude toward one’s work, the chances of doing real damage or harm are small. Consequences from bad calls, in the long run, do not outweigh the time waiting to get everyone’s blessing."というようなことが書いてある。『許可を求めることより許しを乞う(謝罪する)方が簡単である。ひたむきに仕事をすれば、深刻なダメージや危険にあう可能性は低い。間違った決定による時間が、長期的にみて、みんなの許可を得るために待つ時間を上回ることはない』

ともかくやってみるという行動原理が社会を少しずつよくしていく。許可を求めるな。謝罪せよ。

許可を求めるな謝罪せよ。(Don't ask for permission, beg for forgiveness )
第20章:従業員が第一

Part4:伝統は生き続ける

第21章:指導者を導く指導者
  • リーダーシップとは、指導者とその協力者が互いに影響を与え合いながら共通の目的を目指すとき、両者の間に築かれる強力な人間関係である。この相互関係を通して両者はより高い使命感に目覚め、人間として成長する。
  • リーダーシップの前提条件
  1. リーダーシップはただひとりの人物に帰するものではない
  2. リーダーシップは肩書きや権威とは関係ない
  • サウスウエスト航空では従業員が問題解決に取り組む。その問題の最も近くにいる人達がその解決に最も適しているとみなされる。たとえ、彼らが適切な解決方法を見いだせず何度か失敗したとしても、そうやって学んでいくのがサウスウエスト航空のやり方なのだ
  • どのように人に影響を及ぼすか
    • 約束したことは必ず実行する
    • 自分で管理できることに的を絞れ
      • 不平を言うのではなく、自分で管理できることに的を絞って行動することが、組織全体に影響を及ぼすことにつながる
    • 準備を万全に
    • 政治的な技術を磨く
    • 愛情で人を動かす
    • 人の話しを注意して聞く
  • 指導者は目的やビジョン、価値観を人々と共有する
  • 指導者の本質は奉仕者である
    • リーダーシップを発揮する際には、まず他人に奉仕したいという自然の欲望があって、それに対応して「最初に」奉仕する行動を選ぶのだという。つまり、その人が最初に示す傾向性 - 人を指導するのか、人に奉仕するのか? - が基本になるのだ。

ブレストメモ

  • 創造は破棄から始まる
  • 成長を数量化し皆でチェック
  • 文化で支える、仕組みでささえる
  • 規律の文化
  • 取り組みは定期的に評価する
  • 報告をやめ、かつ生産性が高くなっていることを確認できる仕組み、匂い(ごまかし - ここでは、期待されていない行動をとってしまい、それを成果と誤認してしまうこと)を検知する仕組み
  • 見られる仕組みは大切
  • 事前に読まれないのなら、報告は口頭でよい
  • 自分のためでなく、チームが最大になる方法
  • 苦言を言う時には、自分対相手にならず、一緒に行動規範を見て、一緒に考える。一緒の方向を向く
  • 期待以上の成果を出す前に、期待通りの成果を出す。(長期を視野にいれての行動だったとしても、)期待通りの成果が出せない場合、依頼者に報告し、その価値を認めてもらう行動が必要。そうしない場合、それは自己判断で指示を拒んでいるのと同じこと